経営戦略にまでさかのぼり、真の人事制度を提案する

ジョージワシントン大学ロースクール法学修士修了後、経済官庁およびコンサルティング会社を経て、クレイア・コンサルティングに参画。
クレイア・コンサルティングに参画した当初の印象は?
人事戦略のようないわゆる上流だけでなく、それを実現するための人事制度の設計、さらにはその制度の導入支援までトータルでコンサルティングができる会社だという印象を持っていました。経営コンサルタントが得意とする戦略レベルの議論と、「それを役に立つものにするためにはどのようにすればよいか?」という具体化のところも手掛けるコンサルティング会社はあまり見かけません。そのような意味でコンサルティング業界の中でも独特のポジションにあるのではないかと関心を持つとともに、自分の希望とも一致していると思いました。
一人一人のコンサルタントについては、勉強熱心な人が多いという印象があります。個人的に勉強しているだけでなく、自分が担当したプロジェクトから得られた知見をナレッジシェアというミーティングを通じて共有しています。そういう人たちとプロジェクトを共にすることで、互いに苦労しつつ自分にない発想に触れて知的好奇心を刺激されることは、クライアントのお役に立つという本来の目的とは別に味わうことのできる仕事の醍醐味の一つだと思います。
入社して予想通りだったこと、予想を裏切られたことは?
企業の人事担当の方々は比較的、ベテランの方が多いだろうと思っていました。その点は予想通りで、クレイアに入社してプロジェクトにアサインされると、定例会議などでご一緒するクライアントの方々はベテランの方が多いです。それだけでなく、クライアントの事業部門などにヒアリングを行うと、テーマが人事なのでヒアリング対象者もベテランの方が多くなってきます。そのような場合、話を聞く側が私のように年齢が高い人間だと、組織の中で似たような経験をしてきたということもあって、初めて会った相手であるにもかかわらず比較的フランクに話してくれるということもありました。このように、人事コンサルタントの場合、年齢が高いことを生かせる場面があります。
その一方で、クレイアでは多くの若手も活躍しています。その点は入社前にイメージしていたのとは違いました。社会人経験が少ないという意味では彼らが経験を武器にしてベテランの人事担当者と渡り合うことは難しいと思いますが、フレームワークや人事・組織に関する理論、人事特有の法的な規制、統計データ、人事・組織に関する企業の最新動向などをうまく使ってコンサルティングをしており、私も見習っています。
クレイア・コンサルティングで働くことのやりがいとは?
クライアントの経営戦略までさかのぼり、そこからコンサルティングをスタートできることです。これは入社する前にホームページを読んだり、面接で話を聞いたりして認識していましたが、入社して実際に提案やデリバリーに参加し、本当にその通りだと思いました。会社の経営を支えるのは人ですし、人をどう動かすかの根幹にあるのが人事制度ですので、クライアントがどのような経営を目指しているかを理解しないことには、クライアントの役に立つ人事制度を考えることができません。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、これまでの日本企業では、人事は人事の世界だけで独立して存在しているかのように制度が運用されているところもあったかと思います。
そのような中でわざわざ経営戦略にまでさかのぼってコンサルティングをすることは、人事担当者によっては「そんな大それたことを考えているわけではない」と思われるかもしれません。それでもそのアプローチが必要であるということをお伝えし、クライアントのご理解を得ていくという活動は、最終的にクライアントのお役に立つというだけでなく、クライアントに気づきを持っていただくという意味で、それ自体にもやりがいを感じます。
コンサルタントとして常に意識していることは?
人事担当の方は自社のことをよくご存じですし、社員がどのようなことを気にしているとか、こういう制度改定をしようとするとこういう反応があるだろうという相場観もお持ちです。そのような中でコンサルタントとしてクライアントのお役に立つためには、クライアントが気づいていないことをご提示することが必要だと思っています。クライアントがどのような企業であるかを理解することはもちろん重要なことではありますが、現状の深い理解だけでは新たな気づきには繋がらないと思います。
むしろ、企業の当事者は社内での立場、現状に至った経緯、人間関係などがあって現状にとらわれてしまい、改革が必要だと思っていても思考が現状からスタートしてしまって結局、何も変えられないということがあります。それに対してコンサルタントは、当事者にはない第三者としての立場で関わることができます。その企業のあるべき姿が何なのかを考え、それを基にクライアントと議論し、実行可能な答えを探っていくことを意識しています。
どんな仲間と働きたいですか?
互いの意見を尊重し合える方と一緒に働きたいと思っています。コンサルタントはクライアントと議論する準備として、まず社内で議論します。クライアントがコンサルタントに仕事を依頼する以上は、簡単に答えが見える仕事はほとんどなくて、議論の積み重ねによって答えに近づいていきます。議論のスタイルは人それぞれなのだと思いますが、私は互いに相手の意見をまずはいったん受け止めて、相手が言おうとしていることは何か、その中に自分より優れた点があるのではないかを考えながら議論を進めることが大切ではないかと思っています。私自身、上司や仲間の優れた考えに助けられた経験が多々あります。私の方からも是非力になりたいと思っていますし、そのためには互いの意見を尊重することが重要だと思います。
また、弊社はいわゆるプール制ではないので、人事・組織という分野で仕事がアサインされます。その点はブレないので、この分野から企業にアプローチしたい、社会の変革に関わっていきたいという方には合っている会社だと思います。