コンサルタントとしての成長を支えた学びへの飢餓感
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科薬科学専攻修了
クレイア・コンサルティングに参画したきっかけは?
人・組織の問題解決に興味を持ったことがきっかけでした。学生時代に飲食店での接客アルバイトを経験し、経営における人・組織の影響力を実感しました。当時、私はアルバイトリーダーとして売上目標を達成するための具体的施策を考えたものの、一緒に働くスタッフたちの協力を得ることに苦戦しました。背景には、スタッフの働くモチベーションが多様であることが影響していました。モチベーションの源泉の目的や、原動力は人によって異なります。お金を稼ぎたい、仕事そのものに興味がある、成長やスキルアップをしたい、お客様やお店の役に立ちたいなど多種多様です。
このような様々なモチベーションをいかにコントロールし、目標達成に向けてスタッフを動かしていく難しさと、目標達成を通じて人・組織の意思決定や行動が、経営数値に大きく影響することを体感しました。このような経験を経て、人・組織の側面から様々な経営課題を解決するアプローチに興味を抱くようになりました。
問題解決のプロフェッショナルを目指す決意を固めたのは、コンサルティングという仕事を知り、理解を深めたことがきっかけです。
1点目は、難易度が高い様々な問題に携わることができる点です。自社では解決が難しい問題だからこそ、その問題を解決するために企業はコンサルタントへ依頼をします。そのような難易度の高い問題を扱うコンサルタントであれば、問題に挑戦しながら成長できると考えました。また、クライアント企業が抱えている問題は多岐にわたります。コンサルタントは、業界・業種特性、市場動向、事業フェーズなど、常にクライアントの状況を把握し続ける必要があります。難しい問題に対峙しながら、幅広い領域・分野を経験できるコンサルタントという職業に、非常に魅力を感じました。
2点目は、多角的な視点を養うことができる点です。会社説明会やインターンシップを通じて、クライアントの問題や現状を、主観や特定の立場にとらわれず、客観的視点で洞察し、自ら問いを立てるコンサルタントという職業に面白さを感じました。常に第三者としての客観的且つ幅広い視野でクライアントの問題に対峙し、答えを提言することが求められることを知り、そのような視点を早期から養う機会が豊富であることに惹かれました。
入社して予想通りだったこと、予想を裏切られたことは?
入社前の時点で、スピード感のある成長が求められる環境だと聞いており、覚悟はしていました。実際、入社後にいくつかのプロジェクトを経験し、その予想はまさにその通りだと思いました。若手のうちから高いレベルの分析力や資料作成が求められ、非常にやりがいのある環境だと感じています。
それだけではなく、仕事の中で高い裁量性を持たせてもらえる点も大きな魅力です。若手の段階からクライアントの役員や部長と直接対話し、議論を交わす機会を持つことができます。また、自分が考え抜いて作成したアウトプットが、クライアントの大きな意思決定に直結する瞬間を目の当たりにするときもあります。このような経験は、単なる業務を超えた大きな達成感を与えてくれ、成長を実感させてくれます。
一方で、予想を裏切られたこととして挙げられるのは、研修体系の充実度と、個人の成長に対する会社の熱意です。私は、コンサルティング業界はプロフェッショナルの世界であり、個人の育成が軽視される傾向があるのではないかと予想していました。しかし、実際には一人ひとりの長所・短所をしっかりと考慮し、時間をかけて一人前のコンサルタントとして育て上げる方針がありました。上司や先輩社員は人事コンサルティングにおける本質的な価値や思考法を教えてくれ、短い期間で視野や価値観が広がるのを実感しています。
入社して壁にぶつかった経験、その壁を乗り越えた経験は?
入社をして予想通りだったことは、職位に関わらず常に学び続けることが求められる点です。雇用に関連する最新の法律を確認や、書籍を読み先人の知恵を参考することは、日々の業務において欠かせません。同期や先輩後輩といった垣根を越えて、周囲のメンバーと知を共有し、常に思考を刺激し合っています。
“良い意味”で予想を裏切られたことは、2点あります。
1点目は、コンサルティングという職業は決して華やかな仕事ではありません。泥臭く、根気がいる仕事です。入社してすぐ、クライアントの前に立ってプレゼンテーションをするわけではないため、未熟な時期ほど、クライアントと物理的・心理的にも距離を感じ、自分が役に立っているという実感が持ちづらい経験がありました。配属から1年ほどは、上司がクライアントに提案するためのエビデンスを、一次情報から地道に探し出すような仕事を任されることが多いです。だからといって価値の低い仕事であるわけではありません。誰よりもデータと対峙しているからこそ見えてくる視点、気づきがあり、それらがコンサルタントとしてのクライアントへ提供する価値となります。
2点目は、学びへの飢餓状態が成長を後押ししてくれたことです。入社直後の私は、とにかく自身の価値を発揮することに意気込んでいました。しかし、時間をかけて作成した資料がクライアントミーティングで使われないことも日常茶飯事で、若手だからといって上司が手加減をしてくれるわけでもありません。作成した資料に対し、上司から毎回、的確なフィードバックをもらうごとに、良い意味で浅はかな自信が崩れ落ちていくのを痛感しながらも、もっと努力をしなければならないという切迫感に自ずと駆られました。この学びへの飢餓感が努力を加速し、着実に成功体験を積み上げ、新たな自信へとつながった経験が入社をしてから良い意味で予想を裏切られたことです。
今後どのように成長したいか?
新たな挑戦に踏み出す一歩を、後押しできるようなコンサルタントを目指します。クライアントが問題を抱えているということは、クライアントのあるべき姿と現状を結ぶ道に障壁が立ち、あるべき姿への到達を阻んでいる状態です。
その障壁は、様々な要因が複雑に絡み合う問題であることが多く、あるべき姿に向けて一歩を踏み出すことを往々にしてためらわせます。さらに問題に立ち向かう際には、事業成長のような前向きな場面だけでなく、赤字経営を立て直すためにコスト削減を行わざるを得ない厳しい場面にも直面します。クライアントも含めて理想は十分理解しつつも、理想通りに物事が進まない現実を何度も目の当たりにしました。
誰もが諦めたくなる、目をそらしたくなる問題へ立ち向かおうとする企業が、自らの意志で決断をし、諦めずに一歩を踏み出して良かったと思ってもらえる支援ができるコンサルタントになりたいです。換言すると、障壁(問題)を解消または乗り越えられる現実的な解決策と、あるべき姿に向けて進むべき価値(メリット・効果)を定義し、クライアントの行動、ひいてはクライアント組織の変革を後押しできるコンサルタントを目指したいです。
コンサルタントとしてなりたい姿になるために、常に多様な立場や長期的視野で物事を捉え、問いと仮説を立てること、インプットした知識を深掘りし、言語化・概念化することで自身の提案に深みを持たせることを意識しています。良い解決策を自分の言葉でクライアントに語り、共感を抱いてもらえるように日々研鑽に励んでいます。
応募する学生に期待することは?
貪欲に学び続けるということです。具体的には自身の経験や現在実践していることに基づいて、3つの観点から説明します。
1つ目は、学びの上限を定めないことです。知識を絶えずインプットすることは重要ですが、分かった気になり満足して学びの手を止めてしまうことは勿体ないです。常に、どういうことなのか、を突き詰めて学びを深めて初めて知識を自分のものにできた実感が湧きます。
2つ目は、こだわりを一旦捨てて学ぶことです。誰しも自分が大事にするやり方や考え方があり、それに従うことが最も楽で心地よいものです。しかし、それだけだと新たな良い学びに出会うチャンスは狭まってしまいます。まずは、言われたことや今までとは異なるやり方を受け入れ、挑戦してみる素直さが大切です。
3つ目は、幅広い領域に学びの目を向けることです。組織・人事のコンサルティングをしていると、クライアントの問題を組織と人の視点に偏って捉えがちです。我々は組織・人事の側面からクライアントの問題を解決し、経営・事業を成り立たせることを最終目的とします。
したがって組織・人事の領域に留まらず、クライアントの経営・事業がどうあるべきなのかを常に考え、そのためにはクライアントの業界・市場動向やビジネスモデル、歴史に対する幅広い理解が必要となります。普段から幅広い情報に触れる環境を作り出し、関心を持って学びを広げるきっかけを増やしていくことが大切です。常に学ぶことを楽しめる意欲的な学生の皆さんと一緒に働けることを期待しています。