労働者の職場における労働のあり方をより人間に適したもの,豊かな社会に適したものに変えるための諸方策に付けられた総称。
職務そのものの満足度の向上ばかりでなく、職場や賃金や労働者の生活まで含めた幅広い意味での質的向上を目指している。「労働生活の質的向上」や「勤労生活の質」ともいわれる。
同様の考え方を示す用語に「Humanization of work(労働の人間化)がある。1960年代から70年代にかけて、主にヨーロッパで流行した。
背景には第2次世界大戦以降の物不足に対応するために大量生産方式で労働者を働かせた結果、単調な労働や専制的な職場管理に対して労働者が不満を抱くようになったため、その不満を緩和するために、労働条件の改善が求められたことが挙げられる。
近年では、1999年のILO総会で「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)」の概念が提出された。
また、それに基づき、2015年に国連で採択された「持続可能な開発のための 2030 アジェンダ」内では、「すべての人々のための働きがいのある人間らしい仕事」の推進が掲げられるなど、職場における労働のあり方だけでなく社会の中での労働のあり方にも言及されることが多くなっている。