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解雇権濫用法理

客観的合理性と社会的相当性の二つを要件に、正当な理由のない解雇は権利の濫用として無効となることを示した判例法理。

高度経済成長期以降、終身雇用を中心とした日本的雇用慣行が浸透し、解雇が労働者の生活に重大な影響を与えるとする社会実態の中で、日本食塩製造事件(1975年)の最高裁判決における「使用者の解雇権の行使も、それが客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当として是認することができない場合には、権利の濫用として無効になる」との判示により判例法理として確立された。

その後、2003年労働基準法改正により法律上明文化され、2007年労働契約法制定に伴い労働契約法16条に「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と規定された。

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