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先見えぬバブル入社世代 3 ~専門性生かし組織に貢献~

桐ケ谷 優 2017.4.5

先の見えないバブル入社世代の閉塞状況を、どのように打開すればよいか?今回から3回にわたって対策の方向性を述べる。

初回は「バブル入社世代の専門性の活用」をとりあげる。仕事の高度化・専門化に伴い、ゼネラリスト育成が中心だった日本企業でもスペシャリスト育成が重視される時代となった。

エンジエア、クリエーター、プロデューサーなど、個人の専門性を駆使して組織に貢献する職種が増えている。企業としても彼らの採用や引き留めが重要な経営課題のひとつだ。今や管理職も特定の専門性がなければ部下を適切にマネジメントできないとの認識に立ち、全社員を専門職と位置づける企業もある。

多くの日本企業がゼネラリスト向けの仕組みとは別に、スペシャリスト向けの専門職制度を導入してきている。本来の専門職制度は高度な専門性を備えた人材を処遇する仕組みだったが、実態としては、管理職になれないマネジメント能力の低い人材、ポストから外れた管理職を受け入れる仕組みとして活用されてきた。その結果、専門性の乏しい人材を集めて玉石混交となり、専門性向上に結び付かなかった。

管理職ポストにつけないバブル入社世代が増える中、改めてこの専門職制度の見直しが必要だ。専門性の発揮を通じて、組織貢献が可能な人材を適切に処遇できるようにし、バブル入社世代に(管理職になるだけではなく)多元的な成長目標を提示することが求められる。

彼らの中には入社以来、特定の分野でキャリアを形成し、専門職志向を抱いている社員も多い。企業側の人材ニーズと彼らのキャリアニーズをマッチさせることが必要だ。

従来、専門職は研究職や開発職など一部の技術系職種に限定されていた。しかし、最近はソリューション営業などの営業系職種、マーケティングなどの企画系職種、法務・経理などの事務系職種といった具合に、専門性の範囲や種類も多様化。個人の専門性が認められる余地も拡大している。

組織内の特定分野で幅広い経験を積んできた専門性を生かせる機会は確実にあるはずだ。もちろん、そのためには彼らが専門性を環境変化に合わせ進化させ続けることが大前提となる。

元の記事は『日経産業新聞 企業力アップ!組織人事マネジメント講座 (全33回連載)』(2014年1月09日~3月27日)に掲載されました。

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桐ケ谷 優(きりがや まさる)

クレイア・コンサルティング株式会社 ディレクター
慶応義塾大学 文学部卒業。

大手人材派遣会社および外資系コンピューターメーカーの人事部門にて、人材開発や人事制度設計に携わる。その後、国内系人事コンサルティング会社を経て現職。
主に人事制度改革を中心にコンサルティングを行う。最近では、企業再編に伴う人事制度改革や組織改革に従事。また、制度設計だけでなく、人事制度導入局面でのコンサルティング経験も豊富に持つ。

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