「グローバル人材」の育成・活用に向けて(2012年)
【コラム】「グローバル人材」の育成・活用に関するコラムです。戦略的な思考行動ができ、新たな付加価値を生み出せるイノベーターを、いかに育てるのかについて解説します。
- 第5回:グローバル人材に求められる行動力 最終回の今回は、グローバル人材の重要なポイントのもうひとつ、「実際の行動量をどれだけ増やせるか」という点について掘り下げていく。 そもそも、なぜグローバル人材にはより多くの行動量が必要とされるのだろうか。一つの理由は、第3回のコラムで指摘したように、「肌感覚」のような暗黙知的な現地情報を獲得する必要があるためである。
- 第4回:グローバル人材に求められる仮説構築能力 グローバル人材といったとき、まず思い浮かべる仮説構築能力は、「現地ニーズ」に関する仮説を構築する力である。この件について、よく例として出されるのが、サムスン電子の「地域専門家」制度である。サムスン電子では一部の社員を選抜し、海外展開先の現地に送り込む。 このことだけ聞くと普通の制度であるように思えるが、実はこの制度の肝は、派遣期間中には給与は与えられても仕事の義務はないということである。つまり、仕事はしなくても良いから、とにかく生活してみて、現地の慣習や文化に溶け込んでくれ、ということなのだ。サムスン電子からすると、この「地域専門家」制度で育成した人材が、「現地ニーズ」の発掘などを行ってくれることを期待していると予想される。
- 第3回:イノベーターとしてのグローバル人材(2) 前回確認したように、情報化社会の到来によって「イノベーションの7つの機会」のうち(1)〜(6)はイノベーションを決定づける要因ではなくなってしまった。この結果、二つのことが言える。 まず、(イノベーションによって)競争優位を確保する為には、(1)〜(6)を競合会社と比較して卓越したレベルまで引き上げるか、(7)の成功確率を高めるかのどちらしかないということ。 次に、(1)〜(6)ですら実行できない企業は、その市場から脱落してしまうということ。
- 第2回:イノベーターとしてのグローバル人材(1) 前回の連載では、ここ数年の「グローバル人材」のブームを、海外市場での優位性の低下に直面する企業において「顧客ニーズを把握し、新たな付加価値を生み出す事業を構想できる人材」への需要が急激に高まった結果として整理した。 要するに、海外であろうと国内であろうと「新たな付加価値を生み出すことができるイノベーターがいない」「イノベーターが欲しい」ということなのである。今回は、グローバル人材をイノベーターとしての視点から、もう少し詳しく見ていきたい。
- 第1回:グローバル人材とは何か? 「グローバル人材」がブームである。あらゆるビジネス書、雑誌、あるいはWEBコンテンツ上に「グローバル人材」という単語が氾濫しており、試しにグーグルで検索してみると、約 17,000,000 件もの結果が適合する。 しかし、なぜ、いま「グローバル人材」なのだろうか。