現場のリアルな声を尊重し、経営視点で価値ある解決策を探求し続ける
東京大学大学院新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻博士課程修了
人事・経営コンサルティングを選んだ理由は?
私は大学から大学院にかけて約9年間、生物学の勉学・研究活動に取り組んでいました。幼少期に医療に助けられた経験や、高校時代にiPS細胞が話題となった影響を受け、「不治の病の治療法を開発し、多くの人を救いたい」と夢を抱き、生物学の道を選びました。大学院へと進学し、その目標に向かって邁進したものの、研究活動の現実は想像を遥かに超える困難なものでした。研究活動の壁に立ち向かう中で、自身の能力に限界を感じ、新たなキャリアへの転換を考えざるを得ない状況に直面していました。
ちょうどその頃、新型コロナウイルスの感染拡大により、社会全体が働き方やライフスタイルを見直す大きな転機を迎えていました。この中で私自身も「自分はどのように働いていきたいのか」と深く考える機会を得ました。転職が当たり前となり、専門性が重要視される時代において、私は普遍的に求められる知識やスキルを手に入れたいと考えるようになりました。
そんな中で出会ったのがクレイア・コンサルティングです。説明会で仕事内容について聞いた時に、もともと持っていた「人」に対する強い関心や、人々にポジティブな影響を与えたいという私自身の根底の思いが、人事コンサルティングの仕事と重なるのではないかと感じたことが、人事コンサルティングに強い関心を持ったきっかけです。
最終的にクレイア・コンサルティングを選んだ理由は、面接を通じて出会った社員の方々の誠実さとプロ意識の高さにあります。彼らがクライアントのために真摯に向き合い、ハイクオリティな仕事を追求する姿勢は私の価値観と共鳴し、「この組織でなら自分も大きく成長できる」と強く感じ、入社を決意しました。
入社して予想通りだったこと、予想を裏切られたことは?
入社前の時点で、スピード感のある成長が求められる環境だと聞いており、覚悟はしていました。実際、入社後にいくつかのプロジェクトを経験し、その予想はまさにその通りだと思いました。若手のうちから高いレベルの分析力や資料作成が求められ、非常にやりがいのある環境だと感じています。
それだけではなく、仕事の中で高い裁量性を持たせてもらえる点も大きな魅力です。若手の段階からクライアントの役員や部長と直接対話し、議論を交わす機会を持つことができます。また、自分が考え抜いて作成したアウトプットが、クライアントの大きな意思決定に直結する瞬間を目の当たりにするときもあります。このような経験は、単なる業務を超えた大きな達成感を与えてくれ、成長を実感させてくれます。
一方で、予想を裏切られたこととして挙げられるのは、研修体系の充実度と、個人の成長に対する会社の熱意です。私は、コンサルティング業界はプロフェッショナルの世界であり、個人の育成が軽視される傾向があるのではないかと予想していました。しかし、実際には一人ひとりの長所・短所をしっかりと考慮し、時間をかけて一人前のコンサルタントとして育て上げる方針がありました。上司や先輩社員は人事コンサルティングにおける本質的な価値や思考法を教えてくれ、短い期間で視野や価値観が広がるのを実感しています。
入社して壁にぶつかった経験、その壁を乗り越えた経験は?
私は入社2年目に2つの大きな壁に直面しました。
1つ目は「質的な壁」です。2年目に本格的な人事制度設計プロジェクトに主担当として関わることとなり、当初は「どこから手をつければ良いのか」が全く見えず、困惑していました。人事制度は等級や評価、報酬、退職金といった多くの要素が密接に関連しており、優先順位を明確にしながら全体の整合性を取る必要があります。
また、それぞれの制度には根拠となる理論やデータに基づいた設計が求められるため、未経験の私にとっては非常に大きな挑戦でした。この壁を乗り越えるために、社内で共有されている豊富なナレッジや過去の事例を活用し、一つひとつの課題に粘り強く向き合いました。また、上司や先輩方からのサポートも大きな助けとなりました。多くの質問にも丁寧に対応していただき、具体的な方向性を示してくれた上司や先輩社員の存在があってこそ、壁を乗り越えることができたのだと思います。
2つ目は「スピードの壁」です。2年目下半期に複数企業の合併に伴う共通人事制度の設計プロジェクトに携わりました。このプロジェクトでは、限られた期間内で多くのタスクをこなしながら、高品質なアウトプットを生み出すことが求められていました。この壁を乗り越えられたのは、スピードを優先しつつも、資料の修正等を防ぐために関係者との丁寧な認識のすり合わせを徹底したためだと考えています。
毎日クライアントの人事担当者とディスカッションを重ね、現場のリアルなニーズを反映した制度設計を進めた結果、プロジェクトの最後に「依頼してよかった」と言っていただくことができました。このプロジェクトでは、クライアントとともに目の前の課題を解決するという私が理想とする仕事の姿を実現できたプロジェクトであり、今でも非常に心に残る経験となっています。
今後どのようなキャリアを積んでいきますか?
私はクライアントと信頼関係を築き、現場の声に耳を傾けながら、経営視点で本質的な課題に向き合い、解決策をともに見出していくコンサルタントを目指しています。単なる制度設計にとどまらず、クライアントが抱える課題の本質を深く理解し、組織の成長と変革を支える存在でありたいと考えています。また、大企業からベンチャー企業まで、それぞれの独自性を尊重しながら、最適な人事制度を通じて組織の持続可能な成長を実現するために全力を尽くしたいと考えています。
応募する学生に期待することは?
最後まであきらめずに考え抜く力と、自ら課題を探し出し解決に導く主体性が、人事コンサルティングで成功するための重要な要素だと考えています。また、人事コンサルティングの仕事は、クライアント企業の社員一人ひとりの人生に大きな影響を与えるため、誠実に取り組む姿勢も欠かせません。
さらに、人事コンサルティングでは多様な産業への理解が求められます。過去の学歴や専門分野にとらわれることなく、新しい知識を柔軟に吸収し、常に学び続ける好奇心を持つ姿勢を歓迎します。皆さんと一緒に働けることを楽しみにしています。